年功序列(年功賃金)とは・・・? 社労士が解説します
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年功序列(年功賃金)に代表される日本型雇用システムの特徴は・・・

 

日本型雇用システム(三種の神器)

① 終身雇用

② 年功序列(年功賃金)

③ 企業別労働組合

 

年功序列(年功賃金)

 

年功序列(年功賃金)とは、学歴別に初任給が決定され、その後の賃金調整において、勤続年数、経験、能力、業績、勤務状況等の各要素を総合的に考慮するが、特に定期昇給制度を通じて年齢と勤続年数が最も決定的な要素となる賃金制度である。

Point !
< 年功序列(年功賃金)のメリット >
Check 1

給与が上がる安心感

 

年功序列(年功賃金)制度の大きなメリットは、毎年少しずつ給与が上がっていくという安心感ではないでしょうか。通常自身のライフサイクルから、結婚や子育てまた家族の介護など人は年を取るほどお金が必要になってきます。常にお金の不安が付きまとう状況において、会社の業績が大幅悪化しない限り、能力があまり向上なくとも確実に手取り額が増えていくのが年功序列(年功賃金)です。持続的な昇給を見込むことができるので、安定的な将来設計を描くことができます。

Check 2

従業員の定着

 

能力や結果を重視する成果主義と比べて、定期的な昇給が望める年功序列(年功賃金)制度は、従業員が定着しやすい傾向にあります。これは、会社への帰属意識の向上にもつながる側面があります。新卒一括採用がメインの日本企業において、入社当初から給与に差をつけると、入社早々の段階で優劣の差が見えてしまい、モチベーション低下にもつながるので望ましくないと考えられています。同じ給与や昇給幅にしておくことで「皆同じ」という同調意識を共有させることで、働くモチベーションを維持させ従業員の離職率の低下にもつながります。

Check 3

人材育成がしやすい

 

入社して数年以内で退職する若者が多いことで、人材育成に頭を悩ませる人事担当者も少なくありません。ですが年功賃金・年功序列制度では若者を含めた離職率が低下しやすいので、人材育成の計画が立てやすくなります。そうすることで、採用費用や人材育成にかけたコストを有効に使えます。会社全体で長期的な人材育成を可能とする文化が形成され、和気あいあいとしたアットホームな雰囲気で仕事に取り組めるのも魅力のひとつです。

Point !
< 年功序列(年功賃金)のデメリット >
Check 1

人件費の増加

 

年齢を加えるたびに給与が上昇していく年功序列(年功賃金)制度においては、どうしても総人件費が上昇していきます。特に若年層の早期離職が進めば、従業員の高年齢化による人件費の高騰は拍車をかけることになります。高度成長期のように利益を出しやすい時代とは違い、低成長時代においては人件費の上昇は喫緊の経営課題です。このような状況下では、年功序列(年功賃金)制度を継続することはできない会社も当然出てくるでしょう。

Check 2

若年層のモチベーションが低下

 

年功序列(年功賃金)制度の評価では、若くて非常に優秀な従業員がいたとしても、勤続年数の長い従業員よりも高い賃金にはなりません。右肩上がりの成長を続けていた高度成長期では、「長く勤めれば出世して賃金も上がる」という希望を持てましたが、低成長、終身雇用が終焉を迎えている現状では、賃金の上昇どころか、賃金が下がったり、会社そのものの存続さえも危ぶまれる事態です。結果的に、自分よりも仕事のできない年長者が、自分より高い賃金をもらっている状況に不満を感じ、チャレンジ精神やモチベーションが低下してしまうのです。それだけではなく、最悪離職してしまうケースも出てきます。

Check 3

目的意識がなくなる

 

勤続・経験年数や年齢によって賃金や昇格が決まる年功序列(年功賃金)制度では、成果と評価が連動していません。つまり、「評価されるために頑張りたい」・「頑張って早く給与を増やしたい」・「若くして昇格したい」などの目的意識を持ちにくいことになり、「求められている以上の成果を出す」というポジティブな姿勢が生まれにくい環境だともいえます。そのため、「より成果を出すためには?」「より効率的に業務を進めるには?」などの議論が行われることがなくなり、生産性向上に取り組みことがなくなります。

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年功序列(年功賃金)はもう終わった?

1990年代のバブル崩壊により、「従業員を定年まで雇い続ける」という「終身雇用」を維持できない会社が増加しました。停滞した経済状況の中で市場競争は激化し、コストを下げるために人件費を削減する必要が生じたためです。また、業績が右肩上がりに成長し続ける見通しが立たなくなり、経験や年齢に応じて昇給させるという、年功序列(年功賃金)制度自体も現実的ではなくなったのです。自ら取り入れた日本型雇用システムを自ら放棄したのですが、それに代わる人事制度を作り上げてこなかったため、現在の人事制度の迷走につながっています。それが会社の業績にも表れているのではないでしょうか。

 

早期希望退職など余力のある大手企業では、いまもリストラの一環で行っています。ですが、ジョブ型雇用制度をスタートさせた大手企業もニュースになり、人事制度の転換を図り始めています。御社はどうされますか?

Point

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年功序列(年功賃金)を見直している背景は・・・

長年浸透してきた年功序列(年功賃金)制度ですが、見直してきている企業が出ているのはどのような理由でしょうか。

 

◆ 経済のグローバル化

近年、技術革新や日本国内のマーケット縮小に伴い、経済のグローバル化が進展しています。これまでは国内企業との競争環境にあった企業も、海外企業との競争にさらされる時代になっています。海外の企業との競争では、多様な経験やスキル、ビジネスアイデアをもった人材が必要不可欠といえるでしょう。そのような中、旧来の年功序列制度を続けていると、優秀な人材から敬遠される原因となります。また、外国人にとって年功序列(年功賃金)は受け入れがたい制度となっているため、優秀な外国人材を採用するための障壁となる可能性が高いです。

 

グローバルなビジネス展開をしていくためには、人事制度も世界標準に合わせたほうが優秀な人材を採用しやすくなります。

 

◆ 減少していく労働力人口

日本は少子高齢化が進行しており、労働力人口は減少し続けています。仮に、若手の入社が無い状態が続くと、年功序列(年功賃金)制度を維持が困難になります。つまり、会社内で管理職やマネージャークラスの人材ばかりになってしまうと、人件費が高騰してしまい事業継続が困難になってしまいます。

 

人事制度から見てみると、年功序列(年功賃金)制度は会社業績と給与報酬が比例していないため、会社業績が落ち込んだとしても人件費が高額になり負担に耐えられなくなります。そのため会社を維持していくうえでも、年功序列(年功賃金)制度を見直して、人件費の最適化を行うことが求められているのです。

 

◆ 多様な働き方の浸透

年功序列(年功序列)制度では、ひとつの会社に定年までいるのが一般的でしたが、転職も当たり前の時代になってきた今、「より良い条件の仕事を探すため」という離職理由が最も多く、長期雇用を前提とした年功序列(年功賃金)制度は現代社会に合わなくなっていることがいえるでしょう。

年功序列(年功賃金)制度の転換期を迎えた日本型雇用システム

年功序列(年功賃金)制度を続けていくうちに、経済のグローバル化・労働力人口の減少・日本経済の長期停滞など、さまざまな要因によって転換期を迎えた日本型雇用システム。そのため、年功序列(年功賃金)制度から他の人事制度へと見直しをしている会社が増えています。時代の変化に合わせて会社を維持し、持続的な成長を実現するためにも年功序列(年功賃金)制度からの人事制度の変更もやむを得ないでしょう。

 

ただし、バブル崩壊後に一度成果主義への移行を失敗したことから、制度変更によりさまざまな不利益を被る従業員もいるため、事前に十分な説明をすることはもちろん、納得感のある人事・賃金制度を検討、設計することが求められます。

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